ビール③
昨日のビールの続き
大麦から麦汁を作って、ポップを加えて
煮込んだものは、まだアルコールになってない。
麦の甘さ(美味しいかどうかはわからない)
とポップの苦味と香りのあるジュースなのだ。
そして、冷ましたこの麦ジュースに
酵母を加える。酵母は簡単に言うと
発酵させる為の微生物みたいなものだ
この酵母が麦の糖分を食べると、
アルコールと炭酸ガスを吐き出すのだ
だから、発酵を短くすると甘みが
多く炭酸が少ないビールに、
発酵を長くすると甘みの少ない(辛口)で
炭酸感の強いビールになると思うのだ
3日〜10日ほど発酵させ原子ビールが
出来たわけだけど、このままほっておくと
さらに発酵が進んでしまう。
発酵が進むとどうなるか?
ヨーグルトや開栓済みのワインを
常温で放置すると、ビネガー(お酢)に
なっちゃうのと同じなので、酸味が
強い酸っぱい液体になってしまう。
因みに、アサヒのスーパードライは、
発酵を長くして糖分を減らし(辛口)、
酸味を増やして(喉越しよく)してるんだと思う。
原子ビールの酸化を防ぐには、酵母の
動きを止めるしかない。
それには低温にするか、高温にするかの
どちらかだ
高温(熱処理)にしたビールは、日本の
法律では、「生ビール」と名乗れない。
よく勘違いすることが多いが、
居酒屋でサーバーから注ぐのが
生ビールなわけではない。
熱処理してないビールは基本「生」なのだ
だから、缶に入っていようが、瓶に
入っていような、サーバーから注ごうが
生ビールなのだ。
日本のビールは殆どが熱処理してないビールで、熱処理しているビールは、キリンのクラシックラガーとサッポロのラガーが代表であるくらいだ。
どちらも飲み口が苦い。熱処理すると苦くなるんだろうか
子供の頃ビールを飲んで苦いと感じたことが
ある人はみんなキリンのラガー飲んだじゃないかと思うのだ
またまた話が逸れた。
熱処理したビールは酵母が死んでるので、
そのまま熟成期間を経て出荷させる。
逆に低温の場合は酵母の活動を低温にしてゆっくりにする。ゆっくりと酵母に糖分を
食べさせ、食べ尽くしたら酵母が死滅する。
ま、熟成ってわけだ。
なので低温の方が熟成に時間がかかる。
とはいえ少しは酵母が生き残ってるので
最後に濾過して、酵母を取り除いて出荷となる。
一部のクラフトビール(地ビール)なんかは
濾過をしないビールもあり、出荷後も
熟成が進むので早く飲まないと酸っぱくなる。
熟成って便利だけど、味の変化はよくわからない。
多分、アミノ酸(旨味成分)や、コクみたいな
ものが増えて、さらに味の調和が進むと美味しく感じる要素なのだろう。
だから、売り文句として「長期低温熟成」なんてものもある。
ここまでビールの製造行程を見てきたが
まずは麦の選定(これに強く拘ってのがサッポロとサントリー)
→発芽させて、ロースト(ここでビールの色やコクが変わる)
→粉砕してお湯で溶かしてポップを加えて煮込む(ここで苦味と香りが変わる。苦味に拘るのがキリン、香りに拘るのがサントリー)
→冷まして酵母を加えて発酵させる
(ここで甘み、喉越しが変わる。甘みを抑えてキレを良くすることに拘りがあるのが、
アサヒとサッポロ)
→最後に熟成させて濾過後、パッケージング
(ここで熱処理しないものが生ビールとなる」
といった流れなのだ。ビールは良くみると
麦とポップを作って発酵させてるだけなので
色んな添加物が入ってるジュースなんかと
比べると、かなり自然な飲み物だなーと
改めて感心してしまうという言い訳で
今宵も飲むことにする
みんなも、香り、苦味、甘さ、喉越し
を感じながら飲んでみると違いがハッキリと
わかって楽しみも増えると思うぜ!